【PDF化は業務電子化の第一歩】小さく始めて一歩踏み出す電子化

【PDF化は業務電子化の第一歩】小さく始めて一歩踏み出す電子化

「ペーパーレス化に伴う2024年度予算」によると約6割の企業が2023年に社内のペーパーレスの「推進を行った」と回答しています。しかし、未だ多くの企業で紙の書類が使われる場面もあります。業務電子化には、社内体制の変更、システム導入コスト、法的問題への対応などのハードルがあり進まない企業もあるでしょう。

契約書などの法的書類の電子化には、電子署名法への対応やセキュリティ対策の強化が不可欠です。こうした課題に立ち向かうには、まずは一部の業務やPDF化から着実に取り組むことがおすすめです。

本記事では、PDF化の意義、メリット、具体的な方法、導入ステップを解説し、円滑な業務電子化の実現をサポートします。

電子化を取り巻く社会状況

はじめに、電子化が必要とされる環境について解説します。

withテレワーク(リモートワーク)時代

2020年の新型コロナウイルス感染症の流行を契機に、多くの企業がテレワークやリモートワークを導入し、働き方に大きな変化が生まれました。コロナ禍を経験した現在、企業の多くは出社とテレワークを組み合わせたハイブリッドな運営方式を採用しています。

日経BP総合研究所イノベーションICTラボが2024年4月に実施した「ワークスタイルに関する動向・意識調査」によると、テレワークを週1回以上実施している人の割合は64.5%に上りました。さらに、週3日以上テレワークを行っている人は39.8%に達しており、コロナ禍前と比べて大幅に増加しています。

この調査結果は、業務内容や社員のニーズに合わせて、オフィスでの勤務とテレワークのバランスを取ることが求められる時代になったといえるでしょう。

電子化対応を何から始めたらよいか分からない

電子化対応を何から始めたらよいか分からない

次に電子化を進めたいと思ったときに、何から取り組めばいいのか悩む場面が考えられます。そのような場合は「PDF化」から取り組むことをおすすめしています。ここではPDF化を中心に電子化実現への手法を解説します。

PDF化とは?PDF化から小さく始める業務電子化

PDF化とは、紙の書類や様々なデジタルファイルを、PDF(Portable Document Format)という汎用的なファイル形式に変換することを指します。PDFは、文書の内容や構造、レイアウトなどを、デバイスや環境に依存せずに再現できるため、電子化に最適です。

PDF化には大きく分けて2つの方法があります。1つは、紙の書類をスキャナーでデジタル化し、PDFに変換する方法。もう1つは、Word、Excel、PowerPointなどの文書ファイルから直接PDFに出力する方法です。いずれの場合も、元の体裁を維持したまま、書類をデジタルデータとして管理できるようになります。

PDF化された文書は、フォルダやクラウド上で一元管理が可能です。必要な情報の検索が容易になり、物理的な保管スペースも不要になるため、場所や時間に縛られずに業務を進められます。さらに、PDFにはパスワード設定や編集制限などのセキュリティ機能も備わっているため、機密文書の取り扱いにも適しています。

PDF化から始める電子化のメリット

書類のPDF化は、業務電子化を進める上で多くのメリットをもたらします。ここでは、代表的なメリットを4つ取り上げ、それぞれ詳しく解説していきます。

印刷・配送コストの削減

書類をPDFで運用することで、印刷や配送にかかるコストを大幅に削減できます。紙の使用量が減ることで、用紙代やインク代、コピー機のメンテナンス費用などが抑えられます。
また、取引先とのやり取りもPDFで完結できるため、郵送料や封筒代などの配送コストも不要になります。

業務の効率化・迅速化

PDF化は紙の書類と比べて、情報の検索性が高く、必要な資料にすぐにアクセスできるため、業務の効率化が図れます。また、リアルタイムな情報共有が可能になるため、意思決定のスピードアップにもつながります。

セキュリティ・ガバナンスの強化

PDFには、パスワード設定や閲覧制限などのセキュリティ機能が備わっています。そのため、アクセス権限を適切に管理することで、機密情報の漏洩リスクを低減できます。

また、タイムスタンプや電子署名により、文書の改ざんを防止・検知することも可能です。紙の書類と比べて、災害や紛失のリスクも軽減されるため、ガバナンス面での強化も期待できます。

テレワークの促進

PDF化することで、オフィス外でも必要な資料にアクセスできるため、場所や時間に縛られない柔軟な働き方が可能になります。出社が難しい状況でも、自宅などのリモート環境から業務を滞りなく遂行できるようになるでしょう。

紙書類のPDF化の方法

紙書類のPDF化の方法

紙の書類をデジタル化する際、PDF形式に変換するのが一般的です。ここでは、代表的な4つの方法について、それぞれの手順や注意点を解説します。

Excel・Wordファイルのデータ出力によるPDF化

MicrosoftのOfficeソフト(ExcelやWord)で作成した文書は、簡単にPDF形式で出力することができます。ファイルメニューから「名前を付けて保存」または「エクスポート」を選択し、ファイルの種類で「PDF」を指定します。

スキャナを使った紙書類のPDF化

紙の書類をPDF化すると言うとイメージしやすいのが、スキャナを使用することではないでしょうか。多機能プリンタなどに備わっているスキャナ機能を利用し、紙の書類をスキャンします。スキャン時に「PDF」を選択すれば、スキャンした画像がPDFファイルとして保存されます。

スマホカメラを活用したPDF化

スマートフォンのカメラを使って、手軽に紙の書類をPDF化することもできます。iPhoneの場合は「メモ」アプリ、Androidの場合は「Googleドライブ」アプリなどを使用します。アプリ内のスキャン機能を利用し、書類を撮影します。

オンラインツールやアプリを使ったPDF化

インターネット上には、様々なPDF変換ツールやアプリが存在します。「Dropbox」や「Adobe Scan」などのアプリを利用すれば、スマホで撮影した画像を簡単にPDF化できます。また、OCR機能により、スキャンした書類の文字を自動認識し、テキストデータ化してくれるサービスもあります。

郵便物のPDF化ならScanPod

もし、PDF化したい書類が郵便物ならScanPodはおすすめです。外部から届いた郵便物はスキャナを通すことで、自動的に担当者へ仕分けられ、ScanPodで作成したPDF資料も印刷すれば郵送できます。

また、作成したPDFを社内メールで共有することもできるため、スムーズに業務を進められます。さらに、送受信した郵便物は、クラウドストレージ上に自動ファイリングされます。送信・受信の両方にScanPodを使用すれば、社内に出入りする郵便物すべてがScanPod上に自動保存されるため、負担なく自然にペーパーレス化を推進できます。

ScanPodについて詳しく知りたい方はこちら

PDF化を進めるための具体的なステップ

書類のPDF化を効果的に進めるには、目的や方針を明確にし、段階的に取り組むことが重要です。ここでは、PDF化を進める上での4つの具体的なステップを順を追って解説します。

現状の書類管理の課題整理

まず、現在の書類管理の状況を把握し、課題を整理することが必要です。紙の書類の保管場所や量、検索性、セキュリティ面での問題点などを洗い出します。また、業務プロセスにおける書類の流れや、各部署での利用状況を確認し、PDF化によって解決できる課題を明確にします。

電子化する書類の優先順位付け

次に、PDF化する書類の優先順位を決めます。すべての書類を一度にPDF化するのは現実的ではないため、業務への影響度や改善効果の高いものから順次進めていくことが重要です。頻繁に利用する書類や、法的に保管が義務付けられている文書などを優先的にPDF化の対象とします。

社内規程の整備とシステム選定

PDF化を円滑に進めるためには、社内への理解を促すことやルールを決めることが不可欠です。電子化に関する方針や目的、対象範囲、運用ルールなどを決める必要があります。

また、PDF化に必要なシステムやツールの選定も重要なポイントです。セキュリティ面での信頼性や、既存システムとの連携性、コストなどを総合的に評価し、自社に最適なソリューションを導入します。

運用ルールの策定と関係者への周知・教育

PDF化を実践する上では、具体的な運用ルールを策定する必要があります。ファイルの命名規則やフォルダ構成、アクセス権限の設定、バックアップ方法などを明確にし、関係者全員で遵守できる体制を整えます。また、PDF化の目的や手順、ルールについて、社内の関係者に周知し、教育を行うことも重要です。トップダウンでの方針の徹底と、現場の理解と協力が不可欠です。

まとめ

本記事では、書類のPDF化から始める業務電子化について、その背景、必要性、メリット、具体的な方法を解説しました。デジタル化とテレワークの普及で、企業に業務電子化が強く求められる中、PDF化は取り組みやすく効果の高い施策です。

PDF化で印刷・配送コストを削減し、業務効率を上げ、セキュリティ・ガバナンスを強化できます。スキャン、変換、アプリなど、PDF化の手段はさまざまです。自社の課題を整理し、優先順位をつけて段階的に進める必要があります。

もし、負担の大きい郵便物から電子化をしたい場合には、ScanPodがおすすめです。まずは自社の課題を整理してみましょう。

 

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